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『夕凪の街 桜の国』

何年か前、雑誌『ダ・ヴィンチ』だっただろうか、
このコミックのことを大きく取り上げていました。


読みたい・・・と思いつつ、
ずっと手に取る機会がないままでしたが、
先日書店で購入できました。
なんでもこの夏映画化されるとかで、平積みされていたのでした。


この方のデビュー作は持っていて、
なかなか個性的な発想と表現をお持ちの方だなぁ、という印象でした。
そして、その柔らかい独特の視点から描かれた本作。


そのタッチが、きっと等身大の現代に暮らす女性としてのもの、
だからなのでしょうか。
これまで手にとってきた戦争や原爆の悲惨さを
直接的に表現したものとはまったく異質の
読後にじくじくと湧いてくるたくさんの想いが
今もまだ、続いています。


この作品は、とても読みやすい。
でも、とても哀しく、とてつもないものを
はらんでいると感じました。


それは作者の強い想いでもあり、
あの日投下された原子爆弾という
忘れてはならない現実から
生まれてくるのでしょうか。


何度読み返しても、
読んだあとにまでも、
じわじわと胸にせまってくる
なんとも言いがたい感情。


自分は戦争を知らない世代で、
ほんとうの苦労は何も知らない年代なのかもしれない。


でも、戦禍によって幾重にも、何世代にも渡ってもたらされる
これだけの苦しみを
それを過去のものとし繰り返そうとする現実の動きを
この先も決して容認することはできない。


そう強く思わせてくれた、たいへんな作品でした。


こうの史代 作
双葉社(2003)



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